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恋愛に没入しながらも、個としての自分を強烈に維持できる女性こそ、健やかな愛を育てることができる! 今を生きる女性に贈る恋愛論。
やりがいのある仕事に打ち込んでいるとき、あるいは大好きな趣味に没頭しているときが一番幸せと、胸を張って言い切る女性が少なくない昨今だが、彼女たちの言葉をそのまま額面どおりに信じていいものだろうか。おそらくそれは、女性としての幸せの一部分を言っているに過ぎないのではないだろうか。
著者は、「愛する人を見つけ、ともに愛の喜びを知ってこそ、幸せの意味は深まる」という。そして、それは男性にとっても同じであると言う。
本書は十四年前に書かれたものの文庫化だが、当時と現在とでは、女性を取り巻く環境も、性に対する考え方も、大きく異なっている。Eメールもなければ、性を代償にする援助交際に走る若者たちもいなかった時代である。純愛は死んだと言われる、そんな時代だからこそ、現実逃避の避難所としての性ではなく、ほんとうの幸せをつかむ愛と性を考えてほしいというのが著者の願いである。